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頭痛・めまい外来


頭痛、めまいは、”脳の病気”の初発症状となることが多い症状です。当院では、これらの症状を診察後に速やかに頭部MRI,MRAを施行し早期に脳神経・脳血管関連疾患の診断と治療を開始します。もう少し様子をみてみようと思う前に、気軽に早期に受診することをお勧めします。

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頭痛外来

頭痛には生命に危険を生じる可能性のあるくも膜下出血、脳内出血、脳腫瘍、髄膜炎などの二次性頭痛と、片頭痛、緊張型頭痛に代表される一次性頭痛に大別されます。

二次性頭痛

①突然の頭痛、②今まで経験したことのない頭痛、③いつもと様子の異なる頭痛、④程度と頻度が増していく頭痛、⑤50歳以降に初発の頭痛、⑥神経脱落症状(麻痺や言語障害など)を有する頭痛、⑦癌や免疫不全の病態を有する患者の頭痛、⑧精神症状を有する患者の頭痛、⑨発熱・項部硬直・髄膜刺激症状を有する頭痛は二次性頭痛を疑って積極的な検索が必要です。(慢性頭痛の診療ガイドライン2013 グレードA)

当院では、受診当日に頭部MRI,MRA,頸部MRA,もしくは頭部CTを施行して二次性頭痛を鑑別し、異常があれば速やかに連携する総合病院脳神経外科(聖隷浜松病院、聖隷三方原病院、浜松医療センター、浜松医科大学、浜松労災病院)に紹介をします。

一次性頭痛

片頭痛や緊張型頭痛に代表される一次性頭痛は患者様の苦痛があれば重症度にかかわらず治療の対象となります。頭痛が日常生活に支障をきたしていると判断した場合には積極的に治療をすべきです。(慢性頭痛の診療ガイドライン2013 グレードA)

当院では一次性頭痛が疑われた場合でも二次性頭痛を完全に否定するために頭部MRI,MRAもしくは頭部CTを受診当日に必ず行います。その上で一次性頭痛と診断された場合には、トリプタン、アセトアミノフェン、イブプロフェン、非ステロイド系消炎鎮痛剤(NSAIDs)、漢方薬を積極的に用いて頭痛を治療していきます。また、緊張型頭痛に対しては当院リハビリテーション室にて療法士のもとでホットパック、低周波治療器、ウォーターベッドを用いた消炎鎮痛療法を行います。

一日でも早く頭痛から患者様を解放したい、それが当院の願いです。特に頭痛を訴える幼稚園や小学校、中学校、高校に通う子ども達の頭痛治療に積極的に取り組んでいます。“頭が痛くて学校や部活動を休むことがある”、“頭が痛くて受験勉強に集中できない”、そんな子どもさんがいたら是非一度受診することを勧めます。適切な頭痛治療を行うことで、きっと子ども達に笑顔が戻ります。

養護教諭の先生方へ

学校においては、頭痛を訴える子どもに対応する機会がたくさんあると思います。頭痛は学校における教師や級友とのストレス、家庭の問題など、子供を取り巻く環境とも関連がある場合があり、子どもの背景や発達過程にある小児のこころの問題とも関連があります。しかし、もし保健室に頻繁に頭痛を訴えてくる子どもさんがいたら、一度専門的な診断と治療を受ける機会を子ども達に提供してあげてください。小児片頭痛の急性期治療の第一選択薬はイブプロフェンとアセトアミノフェンですが、トリプタンの安全性も確立されており、ガイドラインではスマトリプタン点鼻薬が有効かつ安全が薬剤であり、錠剤ではリザトリプタンが有効かつ安全とされています。(慢性頭痛の診療ガイドライン2013 グレードA)

■当院における片頭痛の診断と治療方針について
片頭痛には、閃輝暗点(せんきあんてん)などの前兆を伴う片頭痛、こうした前兆をともなわない片頭痛、両者の片頭痛が混在して月の半分以上に頭痛のある慢性片頭痛が代表的です。前兆をともなわない片頭痛の診断に対しては頭痛にともなって嘔気や嘔吐を伴うか、めまいを伴うか、光や音に過敏になるか等の症状で判断します。片頭痛では、これらの症状を伴いますが、緊張型頭痛ではこれらの症状を伴わないことが多いからです。これまで緊張型頭痛の特徴と考えられてきた低気圧や台風の前の頭痛、休日の頭痛、肩こりなどの症状も片頭痛患者さんにはみられることが多いことが知られています。
当院では新規の頭痛患者さんに対しては全例で頭蓋内病変の有無を頭部MRI,MRAもしくは頭部CT検査で評価し、頭蓋内病変がないことを診断した上で、片頭痛と診断します。内服治療ですが、頭痛が生じた時に内服するトリプタン製剤を選択します。トリプタン製剤には内服薬として7種類、点鼻薬として1種類、注射薬として1種類があります。内服薬の中では、リザトリプタン「マクサルト」とエレトリプタン「レルパックス」に即効性があります。リザトリプタンの方が効果が強い印象がありますが、その分倦怠感を内服後に訴える方が多くみらえるため、そのような方にはエレトリプタンを処方します。制吐剤も一緒に処方します。トリプタン製剤で十分に頭痛が改善しない場合に備えて消炎鎮痛剤も同時にバックアップとして処方しています。慢性片頭痛や生理中の片頭痛には効果持続時間が長いナラトリプタン「アマージ」を処方する場合もあります。片頭痛が週1回以上ある場合や1回の片頭痛で日常生活に支障がでる場合は片頭痛の発作を予防する薬を積極的に使用します。
当院では最初にロメリジン「ミグシス」の内服から開始し効果が十分でない場合はアミトリプチン「トリプタノール」を追加します。それでも十分でない場合バルプロ酸「デパケン」に変更します。バルプロ酸に変更した場合は採血を行って血中濃度が有効濃度に達するまで増量します。それでも十分に効果がない場合に新しく片頭痛の予防薬として開発された抗カルシトニン遺伝子関連ペプチド(CGRP)抗体「エムガルディ」を使用します。難治性の片頭痛に劇的な効果があったとの報告もあり、その効果が期待されます。当院でも患者さんへの投与を開始しました。

めまい外来

めまいは、まわりがクルクル回る回転性めまいと、フワフワする浮動性めまいに大別されます。回転性めまいは、良性発作性頭位変換性めまいや、メニエール氏病などの迷路性めまいが代表的ですが、聴神経腫瘍、小脳橋各部腫瘍などの腫瘍性病変や、脳梗塞、脳内出血などでも同様の症状に近い症状が出現する場合があり注意が必要です。浮動性めまいは、さらに鑑別診断が難しい場合が多く、脳梗塞や主幹動脈の高度の狭窄や閉塞が原因になっていることもあれば、心不全や不整脈、貧血が原因になっていることもあります。 当院ではこれらのめまいに対して神経学的所見をとったあとに頭部MRI,MRAで精査し、必要があれば心電図検査、採血検査、胸部CT検査等を行い、鑑別診断を行った上で治療を開始します。